お寺こぼれ話
どっとこむ僧が語る!あなたの知らないお寺の世界
あじさい寺
ある地方のお寺、通称「あじさい寺」。参道から裏山に至るまであじさいが植わっており、6月から7月にかけては、約4万株のあじさいの紫色で境内は彩られる。
時期になるとたくさんの人々が訪れ、季節の景色を楽しんで帰るのだそうだ。
そのあじさいは誰が植えた?手入れは?
住職曰く、自分がひとりで手入れをしていると言う。
聞くと約2万株植わっていたところに、自分が住職として入ってから残りの約2万株を植えたのだと。
見に来る人はお賽銭を入れてくれるのだが、約1ヶ月のシーズンで10万円ほど。
とても人を頼める額ではないので、自分ですべてやっていると。
「それでも、来る人はみんな喜んで帰るからやめられない。」
頭に手拭いをかぶり、顔が真っ黒に日焼けした住職はにこやかに言った。
すべてが誰かのお陰様、すべてはみんなのお陰様、ってこと。
合掌
By どっとこむ僧